仏法のあじわい 「妻の二十三回忌に思うこと」 2025年10月

 8月の中旬、気温が35℃を超えるのが当たり前の季節、真宗会館において妻洋子(釋尼洋恩)の二十三回忌を開催しました。昨年思い立ったのですが、初めての回忌法要です。我が家のお墓は隣町の墓園にあり、車で15分程の便利な場所。月1回のお参りはかかさずにしておりましたが、回忌法要については思い至りませんでした。

妻の兄弟は姉1人に弟3人の5人兄弟。次男が早くに亡くなり、長男が今年3月に亡くなったことで存命は姉と三男だけとなり、家族が集まる場所が欲しかったという意味もありました。 当日の担当僧侶のSさんに、事前に「式次第」を紙で配布してもらうようにお願いしました。参列者が真宗の教えに疎いということもあり、真宗の法要は「祈祷」や「おまじない」ではないことを判ってもらいたかったからです。

式次第は次の通り。
(そう)
(らい)(か)
(だ)(ひょう)
(びゃく)(お)(きょう)(ぶっ)(せつ)(あ)(み)(だ)(きょう))※(しょう)
(こう)(たん)(ねん)
(さん)(じゅう)(ねん)
(ぶつ)(かけ)(わ)(さん)(じっ)(ぽう)(み)(じん)(せ)(かい)の」
(え)(こう)(せ)(そん)(が)(いっ)(しん)
(しょう)(しん)
(げ)(どう)(ぼう)(ほう)(さん)(み)(だ)(じょう)(ぶつ)のこのかたは」
⑪回向「(がん)(に)(し)(く)(どく)
⑫総礼
(お)(ふみ)(はっ)(こつ)
⑭法話
これをS僧侶は1時間で滞りなく、それこそ滑らかに終了いたしました。また、式次第の裏面には式次第の解説とともに「合掌礼拜」「称名念仏」「阿弥陀如来」の簡単な解説もあり、その配慮に感心いたしました。ピアノの練習が趣味の義理の姉は、S僧侶のお勤めと拝読された御文を聞いて、言葉が明瞭で心地良く耳に入ったと喜んでおりました。

浄土真宗の法事は、亡き人を縁として「いま」を生きる私達が仏の教え、仏法に出会うための大切な場と説明されております。この回忌法要を通して参列者にその気持ちが伝われば幸いと感じております。

城北地区 福田 正紀(釋普行)